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by kotanimasafumi
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建築と工芸
昔訪れた街に有名な建築家がデザインした図書館があった。
自分はこの作品が嫌いだった。
ガラスやアルミニウムの板をランダムに取り付けた外観は割れた鉄瓶の破面みたいで目に煩いし、
そのせいで周囲に撒き散らされる太陽の反射光も不快であった。
木を多用した内装は和風を謳っているのだが、
茶室のシンプルさとは真逆を行く過剰な装飾のせいで中々落ち着けない。
さらに言えば地場と縁深い素材を用いた外観や日本の伝統を強調する内装は郷土愛や祖国愛を強要するかのようであった。
おまけにその個性的な外観が周囲のビル群と上手く馴染んでおらず、どこかちぐはぐした印象を受けた。
ただ、こんな建築物でも人跡稀なアルプスの深山で雪に塗れながら佇んでいれば、
幾らか見れるものになるような気がする。
あるいは建築家の作品図録に周囲の景観をトリミングした写真として掲載されていたら。
自分がこの図書館に魅力を感じないのは、建築物そのものが好みじゃないというのもあるが、
建築物と周囲の景観、環境との不調和がそれに拍車をかけているように思う。
逆に好きだったのはその街の美術館である。
壁面にガラスを多用、というか正面側の壁はほぼ全てガラス張りになっている。
公園の一部として建てられたこともあり、
同館を取り巻く青い空、白い雲、澄んだ水と良く調和していた。
館内からは一面のガラスの向こうに雄大な山々を望む事ができた。
内装に木を用いているのは図書館と同じだが、使い方がより抑制的であり、心が安らいだ。
美術館というのは第一に作品を見せるための場である。
場そのものが煩いようでは役割を果たせない。
図書館もまた本を読むための場所であり、当然静かであることが求められるはずだ。
なのに図書館が1番煩いのだから本末転倒である。
図書館と美術館では恐らく図書館の方が技術的に高度でデザイン的にも評価が高いのだろう。
しかし建築物というのは技術の高さやデザインの優劣を競うためにあるのだろうか。
政治的ないし宗教的理由で建てられるものは別にしても、建築物はそこを使う人、その街に住まう人のために存在するはずである。
奇抜な建造物はランドマークや観光資源となる可能性もあるけれど、
だからといって旅の人のために地元民は景観上の不利益を我慢しろと言うのか。
中国や日本には庭園を設計する上で「借景」という発想がある。
庭というメートル単位で区切られた領域の外側に存在する山や川を、空や雲を、月や星を、時には人工の建造物さえも、庭の構成要素として流用するのである。
景観を利用して庭園の魅力を高めている訳だが、これは借りている景観が損なわれると庭園の魅力もまた損なわれることを意味する。
そのため自治体によっては景観を破壊するような建造物の設置を禁じる条例を施行している。
魯山人作品のコレクションでも知られる足立美術館は庭園を守るため借景として利用している山まで購入したという。
奇抜な建築物が駄目だとは思わない。
しかし自分は、景観と調和しない奇抜な建築物より、景観と調和する平凡な建築物の方を好む。
建築物というのは、景観と無縁では存在できない。
もし周囲の景観からして奇抜な所に奇抜な建築物を建てたなら、それはそれで面白そうである。
こういう発想はテーブルコーディネート、食卓のモンタージュと相通ずるように思う。
食器を建築物、テーブルやインテリアを景観に見立てるのである。
単独で見た場合には面白い食器やぐい呑みだとしても、
いざ使ってみたら思ったより勝手が悪かったり、
他の食器やインテリアと調和していなかったり、どこか違和感が残ることがある。
あるいは作陶家の名前や経歴、肩書きをありがたがったり、素材の適性より希少性を喜んでみたり。
ただ、建築物の方は器と異なり、使い勝手が悪くてもホワイトボックスに展示できないのが難点である。

by kotanimasafumi | 2023-11-29 15:07 | つぶやき | Comments(0)
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