「図面描くほど高くなるか」問題。
地方の小規模な住宅程度の仕事を長く続けようと思えば、適度な密度で描く…
とはならない可能性もある。
描き足りないと、その現場は安くおさまる可能性もあるけれども、
次回からは想定以上に高く見積もられる可能性があって、次回以降のクライアントにしわ寄せが来る可能性がある。
当然、描いてないことの無理強いが通るかわからないし、現場の士気が下がる可能性は高い。
描きすぎると高くなるか、というのは正直分からない。
ただ、良い施工者にあたればいいけれども、そうでない場合、
情報量が多すぎると、ちゃんと図面を読み込めて無い可能性があり、
1から10まで気をつけないといけなくなる。(当たり前のことができてないだけだけど)
描くにしても、情報に優先順位をつけて、なるべく伝わりやすく書く、というのが大事で、描けば描くほどいいか、というとなかなか難しい。
予算が厳しいものがほとんどなので、優先順位の高いものはきちんと図面で指示して、その他は予算に応じて柔軟に対応する、というやり方でないと続けていくのは難しい気がしている。
描けるだけ描いて指示済みの状態にしてた方が現場の精神的負担は確実に減ると思うし、それが正統だと思う。
そこから一歩下がって緩さを保ちながらバランスを取るようなやり方もあるような気がする。
やっぱり、コストを考えた上で描くべきことは全てきっちり描く、というのが正解だと思う。
その上で如何に施工者の理解とのギャップをなくすように分かりやすく描くか。
図面だけでなく現場で考える、というのはあると思うけど、
図面もしくは設計、または計画の可能性を信じることができなくなったら、
それはアマチュアだと個人的には思う。
空間を変えうるのは思考の密度だと感じてるし、それはまずもって図面に現れる。
現場で絶えず試行錯誤ができるのなら別だけど、
計画でこそ繰り返し思考することが可能で、それを圧縮し、図面の密度、ひいては空間の密度に変換できる。
たぶんプロなら図面一枚見たらどの程度の密度か一目で分かる。
その密度をどうやったらあげられるか、をいつも考えてるけど、言うは易く行うは難し…。