日本の農村、そして地方都市は、観光業がその場所の産業の重要な位置を占めているものが少なくない。
あるいは大都市においてもそう言えるだろうか。
ヨーロッパの主要都市しかり。
東京もしかり。
現代都市と観光は非常に大きな関係を持っている。
観光という言葉はとても広い意味を持ち、
その言葉が生んできたイメージも、
時代によって大きく変わる。
リゾート開発、マスツーリズムが爆発的に進んだのはひと昔、いやふた昔くらい前の話で、
現在ならグリーンツーリズムだとか、エコツーリズムだとか、アグリツーリズムだとか観光の概念はますます広がっているように思える。
歴史を辿ってみても、都市の大規模な変革は、常に人の移動とともに起こってきた。
当たり前すぎるくらいシンプルなことだけど。
ずっとそこで暮らす人も、
ごく短時間だけ訪れる人も、
周期的に他の都市とその場所を住みわける人も、
全部ひっくるめてその場所の住人と捉え、
それらの人々が有機的に関係しあってひとつの全体をかたちづくっている状態を都市だと思考してみる。
季節や時間によって都市の姿は大きく変わる。
自然や環境資源に依存してきた場所が、
観光を批判的に利用して、
その場所固有の文化や町のあり方を発見し、
成熟に向かうための突破口になるんじゃないだろうか。
暑かった夏の島巡りを思い返しながら、
最近はそんなことを考えている。